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平成20年度春の花粉飛散量予測
どんな治療法があるのか
鼻や目の症状が重い場合は耳鼻咽喉科、眼科での受診をお勧めします。内科、 小児科、アレルギー科などでも診療が受けられます。 花粉症の症状が出る季節は風邪の流行する時期でもあり、発症の初期はくしゃ み、鼻水などかぜと同じような症状が見られます。また、急に悪化した他の鼻疾 患、たとえば慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などとの鑑別も必要となります。 花粉症の診断の多くは、季節中の症状の有無と血液中にある花粉に対する抗体 の存在で診断されます。さらに、耳鼻咽喉科では鼻の粘膜を直接見て、アレルギ ーの反応を観察します。 花粉症の症状が出始めたごく初期には鼻粘膜の炎症はあまり進んでいません。 この時期に治療を開始すると粘膜の炎症の進行を止め、早く軽快させることがで き、花粉症の重症化を防ぐことができます。
花粉症の治療には、医療機関で行う薬物療法(経口薬、点鼻薬、点眼薬)、手術 治療、特異的免疫療法(減感作療法)があります。
現在、完治の可能性のある治療法は特異的免疫療法(減感作療法)だけですが、 現時点では完治する率は決して高くありません。また副作用の問題や長い治療期 間を要することから、新しい治療法の研究が進められています。 さらに、細胞の中の情報伝達をコントロールする薬剤の研究や、アレルギーの 原因となる蛋白に対する抗体を花粉症治療に応用するといった、まったく新しい 治療法の開発も進められています。 いずれにしても、治療と平行して、自らが花粉のばく露から身を守ることが前 提となることはいうまでもありません。
●
薬物療法
花粉症の薬物療法として、抗ヒスタミン薬(第1世代、第2世代)、化学伝達物
質遊離抑制薬、ロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサンA2拮抗薬、Th2サイトカ イン阻害薬の内服や点鼻、点眼、そして局所ステロイド薬の点鼻、点眼が適宜組み合わせて行われます。
これらの薬剤を上手に使い分ければ約7〜8割の花粉症患者さんが副作用もなく、症状がほとんど出現せずに花粉飛散季節を過ごせると考えられています。
<初期療法>
予防の項でも述べますが、現在、第2世代抗ヒスタミン薬、化学伝達物質遊離 抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬の花粉症に対する使用方法として、
花粉飛散開始2週間ほど前
より投与を始める初期療法 (季節前投与法、予防的治療)が一般的であり、季節が始まってから服用を開始するより効果が高いことがわかっています。
●
根治療法
<免疫療法(減感作療法)>
スギ花粉症の根治療法としては、原因花粉を避けたり、完全除去することができれば理想的ですが(「
予防法
」参照)、現実にはほとんど不可能です。
このため特に症状の重い方には減感作療法が適応となります。減感作療法は抗原特異的な免疫療法とも呼ばれ、花粉の抽出液を少しずつ濃度を上げ注射して、
身体を花粉に慣らす
(花粉に対して防御する免疫を獲得させる)治療法です。
減感作療法は、
花粉症の季節の3ヶ月以上前
からはじめ、
2年以上続ける
ことが 必要です。シーズンが始まる前に行うのが原則で、シーズンに入る直前では効果が低下する報告もありますが、個人差があるようです。
この治療法は患者さんごとにスギ花粉に対する過敏性が異なるため、それぞれの患者さんごとにはじめの濃度を決定する閾値検査が必要となります。この閾値から皮膚の反応が強くなりすぎない程度まで濃度を濃くしていきます。初めは週 に1−2回の注射で始めますが、その後は2週間に1回を2ヶ月間続け、最後は1ヶ月に1回の注射になります。この治療法は体質改善のため2年間以上続けることが必要です。
やめた後でも効果が持続する
のがこの治療法の特徴であり、実際の効果としては、平成7年度厚生省長期慢性疾患総合研究事業の研究成果によると、スギ花粉症に対する減感作療法で軽症、無症状におさまった患者さんが80%以上おられ、 その高い効果が確認されました。
花粉症保健指導マニュアル(環境省) より引用